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春は(暦の上では5月4日まで)、新入学・進級・就職など、希望と不安が入り混じる時期です。
心身の体調不調が起きやすく、昔から五月病などと呼ばれます。
その対応・治療は、患者様の心にまず寄り添うことから始まります。
今年は特に、便秘や下痢などの便通異常を訴える患者様が多い印象を受けます。
コロナによる生活習慣の変化が、それを助長しているのかも知れません。
便通異常は、感情の乱れから起きることがあります。
ストレスに身体が負けはじめると、まず、お腹の膨満感が起こります。
お腹が張る・ガスがたまる(おならが多くなる)などを訴え、便がすっきり出なくなります。便秘と下痢をくり返す状況です。
そんなストレス初期症状は、香りの良い生薬を配合した香蘇散(こうそさん)などで対応してください。
ミントなどのハーブティーを同時にとるのも、良いことです。
それが悪化したとき、精神不調(イライラ・落ち込み)が現れます。
さらに悪化すれば、イライラに加え、心のあせりが生じ、ひとりごとが多くなり、心身のバランスが大きく乱れます。
同時に、ほとんどの方が強い便秘に悩まされます。
便秘をそのままにしておくと、不調が長引きます。
抗ストレスの配合を持ち、同時に瀉下薬を配合した、大柴胡湯(だいさいことう)を用います。
意図的に下痢をさせることで、症状改善を図ります。
これを服用し、便通を待ち、排便後に不調が和らげば、短期間服用の後(1日~10日程)、他薬に切り替えます。
春から夏に向かう季節、気温の上昇から、のぼせの不快症状が起きやすくなります。
そんなとき、便秘も起きやすくなります。
これは、身体の熱をうまく処理(排除)出来なくなったためです。
生薬・ダイオウ(大黄)を配合した、大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)や、センナを用いた製剤で、便秘を改善してください。
そうすれば、身体の熱感がおさまるでしょう。
30歳後半から老いに向かうときも、便の不調が現れることがあります。
老いは肌に反映し、うるおい肌が失われます。
それは全身に起こるため、腸管も同様、ウサギのうんちのようなコロコロ便(粒状便)になりがちです。
腸管に油分を運びスルリと便を出す、漢方薬・麻子仁丸(ましにんがん)を用いると良いでしょう。
腸管や肌に潤いを戻すために、折衝飲(せっしょういん)や杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)を同時に用いるのが求められます。
それは、便秘の根本治療を考えての対応です。
ダイエット薬とされる防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)も、下剤が配合されています。
これは、身体の停滞物を(便・尿・汗)で排除することで、体循環を蘇らせて健康に戻します。
停滞物排除から、体重も落ちますが、停滞物がなくなって健康に向かい出したら、服用を止めると良いでしょう。
良い代謝を維持すれば、肌は輝き、体重が短期間で増加することもないでしょう。
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