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9歳 男子
【主訴】アレルギー性鼻炎
3歳頃から透明な鼻水が気になるようになった。
耳鼻科を定期的に受診しており、アレルギー止めや鼻詰まりに対しての 西洋薬を服用している。
最近では薬を飲んでいても鼻水が目立つようになってきた。
原因となるアレルゲンは花粉(杉、ヒノキ、ブタクサ、稲)
やハウスダストの可能性が高いことが分かっている。
中耳炎や副鼻腔炎の合併症までは至っていない。
喘息やアトピー等の他のアレルギー症状はなし。
便秘傾向。野菜嫌い。
便秘薬を服用しているが長期間服用することは
できないとのことで中止予定である。
外で遊ぶことは少なく虚弱体質。
【既往歴】なし
【併用薬】レボセチリジン、カルボシステイン
モンテルカスト、百毒下し(中止予定)
【処方】 今回の症例では体質改善が重要である。一貫堂医学の理論体系を用いた治法が有効。
解毒症体質を改善する漢方薬をベースに桂枝湯を骨格とした胃腸を整える漢方薬を調合 。
【養生法】・身体を動かすことが少ないので外遊びや運動を推奨。
・野菜嫌いなので食べやすい白菜やキャベツ等、少しずつでも良いので食べていくよう説明。
・添加物や甘みの強い飲食物は減らし玄米食を推奨(難しいようなら雑穀米やもち麦も可)
【経過】 1ヶ月:鼻水はほとんどでなくなり気にならなくなった。 便秘は継続(百毒下し服用で改善)
2ヶ月:完全に鼻水が止まっている。西洋薬は中止になったとのこと。
3ヶ月:鼻水はでていない。野菜は少しとれるようになり、公園にでかけるようにしている。
百毒下しは中止になったがスムーズではないものの便はでている。
【考察】小児のアレルギー性鼻炎が近年、増加傾向にある背景には運動不足や食事による
影響が強いことが分かっているがその典型である。鼻炎だけでなく子供の成長過程
(身体的・精神的)にも影響を与えかねない。小児の体質改善の重要性がよくわかる症例である。
体質改善とは漢方薬のみで完結するのではなく、養生による生活習慣の変化(行動変容)が伴う
ことにより貫徹する。
(英語・中国語・フランス語にも対応しており、海外からのご相談も数多く頂いております。)
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