2024.12.26
【漢方通信12月号】冬の寒さは、痛みを運ぶ/神経痛・関節痛

 10月末までは、残暑の暑さを引きずったままの、異常な今年の気温。「クリスマスも半袖で過ごせるのでは」と、そんな予想さえあったのですが、11月中旬からは冬の気温へと変わりました。寒くなると、ひとは身体不調を抱えやすくなります。カゼ・冷え症・頭痛、そして様々な慢性病など。「神経痛・関節痛」も、冬の入口から悩むかたが増えるものです。

神経痛とは、ピリピリ・ジンジン・電気が走るように痛むこと、末梢神経が刺激を受けることから起きるとされます(坐骨神経痛、三叉神経痛など)。関節痛とは、関節部位に痛みが起きること、さまざまな病変や経年変化(軟骨の減少)により痛みが生じます。寒い時期に起きる神経痛・関節痛は、その多くは、腰から下が「ぐっと冷える感覚」とともに訪れます。そして突然痛みが襲い、その後続くことが多くなります。

漢方薬・疎経活血湯(そけいかっけつとう)を、服用してください。
お湯で、食間(空腹時)に服用してください。服用により胃への負担感があるのなら、食後(20分後程)に服用してください。効果は1~3日後に現われるでしょう。そこで止めてしまわず、1カ月程は服用してください。出来れば、寒さ残る期間中は継続服用してください。これは「痛みを止める薬」であり、「再発を防ぐ薬」でもあるのです。

暮らしのなかの養生は、薬の効きを高め、痛みを消すために重要です。「早寝・早起き」「目を酷使しない」「散歩をする」などの、血流改善のための生活習慣を意識しながら、疏経活血湯を服薬することで、痛みを改善してください。

寒さがとても強い状況なら、(前述の)疎経活血湯に、温補薬のブシ(附子)を併用してください。煎じ薬が最も改善効果が良いものですが、煎じるのに手間がかかり、においも気になるかたがあるもの。エキス剤を2種・3種併用することで、治療することもあります。エキス剤疎経活血湯に、ブシを配合した桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)や真武湯(しんぶとう)を併用してください。下腿の寒さが緩和したら、疎経活血湯だけの服用に戻し、1カ月程は継続服用してください。

降雪地帯・河川環境などにお住まいのかたは、冬でも高湿度であることがあります。

神経痛・関節痛の痛みが「しびれる」「締めつけられるよう」「重怠い感覚」であるなら、高湿度が招く痛みと言えましょう。薏苡仁湯(よくいにんとう)で、治療をしてください。改善の感覚を得るのに時間がかかり、3~5日程かかることがあります。継続服用することで改善に良いと分かれば、春までの3ヶ月程(日本海では降雪による多湿が続く)は続けてください。

リウマチならば、痛みや熱感が強く、関節の変形もともなうことがあります。疎経活血湯に、ジリュウ(地竜)エキスを併用し、対応します。通常の神経痛・関節痛は、3つの疾病要素(風・寒・湿)から起きていますが、リウマチでは炎症が強いため、ひとつが変化し(風・熱・湿)になっています。寒が、熱に変っているのです。ジリュウ(地竜)エキスは、ここで生じる熱状況(激しい痛み、熱感)に対応し、痛みを抑えるための薬物です。

神経痛・関節痛、そしてリュウマチも、毎日お風呂に入ることで身体循環を維持し(血流維持)、痛み改善への力にしてください。

 

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